視覚リハビリテーション実施のガイドラインは?

新型コロナウィルスの感染者数が落ち着きを見せていますが、現在の視覚リハビリテーション(以下、視覚リハ)の実施状況はどのようになっているのでしょうか? 日本歩行訓練士会は、「新型コロナウィルス対策による訓練業務への影響について」ということでアンケート依頼をされています。

実施している関連期間、自粛していたけどそろそろ再開しようかと考えている関連機関、それぞれあると思われます。視覚リハを提供する際、新型コロナウィルスに感染しないまたは感染させないため、どのようなことに注意すべきか、ガイドラインはないものかと探してみましたが、残念ながら見当たりませんでした。もしかすると、各関連機関には設置されたガイドラインがあるけれども、それを公開しているわけではないということかもしれません。

しかし、インターネットを検索してみると、視覚リハを提供する関係者にとってかなり参考になるガイドラインを既に示している専門家団体がありました。

当日、訪問する前、通所いただく前に、国立感染症研究所が示した「濃厚接触者の定義」に、視覚障害のある方、訓練士の両方が合致しない時間を過ごしていたかを確認する必要があります。また、厚生労働省が示している「新型コロナウィルス感染症についての相談・受診の目安」にあるような症状を、やはり視覚障害のある方、訓練士の両方にないことも確認しなければなりません。同居する家族などにも、同様のことを確認する必要がありそうです。

実際に視覚リハを提供する時には、日本理学療法士協会「新型コロナウィルス感染症への対応について」にある「理学療法士としての新型コロナウイルス対策(私の経験から)」「理学療法士のためのCOVID-19感染予防対策動画」、また訪問リハビリテーション振興財団「新型コロナウィルス感染症対策ガイドライン(初動対応マニュアル)」はかなり実践的で一読必見の価値があります。視覚リハを、訓練士が安全に提供したり、視覚障害のある方が受けたりする場合にも、感染予防策として実施すべき内容だと思いました。

訓練士が安心して視覚リハサービスを実施できるよう、また視覚障害のある方も安心してサービスを受けられるように、予防策をわかりやすく示すことは重要だと思います。どこかで視覚障害に関連する専門機関が視覚リハ実施のガイドラインを公開してくださると、他の機関でも参考になると思うのですが。ご存知の方は情報提供いただけましたら幸いです。